FinTechパワーと金融の明日

今秋も、カンファレンスシーズンの真っ最中。世界各地で金融サービスとテクノロジーを語るイベントが続く。セレントは、欧州で、米州で、そしてアジアで、各地のソートリーダーと様々なラウンドテーブルを囲み、金融サービスとFinTechパワーの行方を議論している。

先日の日経シンポジウムにおける、日本の金融トップの講演では、共通する3つのキーワード:「グローバリゼーション」、「アセットマネージメント」、そして「FinTech」が印象的であった。セレントのソートリーダーシップも正にそこにあり、多数のリサーチレポートを発刊している。本稿ではその一端を紹介する。

① グローバリゼーション:
金融に限らず、日系資本のグローバル展開が加速を続けている。そこでは新たなガバナンスモデルの構築が成功の鍵である。それは人に依存し、往々にして経年と共に劣化する。「見えない大陸」で、永続する事業を統治することが果たして可能か?ビジネスとITが表裏一体である装置産業において、両者を切り離したガバナンスは成立しない。また、レガシー・モダナイゼーションITガバナンスは、世界規模での構想と実施が求められる。金融機関の多国籍企業化は進展するも、金融サービスは元より地域固有性が高い。アウトバウンドM&Aで獲得すべきものは、金融資産、顧客関係、そして人材。構築すべきものは現代化された事業基盤と企業統治モデルである。

② アセットマネージメント:
日本の金融サービスが、本格的な資産運用業務の強化に挑む上で、投資運用の自動化(ロボアドバイザー)の技術が肝要である。従来は人の介在を必要としていたフロントエンドの業務プロセス(リバランス、モニタリング、パフォーマンス評価、報告など)の自動化によって、中間事業者を排し、実現利益の全てが顧客へ提供可能となる。IoT、AI、そしてスマートロボットといったテクノロジーの普及は、金融サービスの利用者、提供者双方の行動様式を革新する。真っ先に、金融サービスの接客とワークスタイルの革命が期待される。テクノロジーが創造的に既存の産業構造を破壊する、正に産業革命の予感がある。勿論、日本の金融業界においても、その挑戦は着手されている。

③ FinTech:
ブロックチェーンの技術は、ビットコインに代表される仮想通貨のみならず、サイバー空間の新たな信頼関係を構築する可能性を秘める。金融分野でのユースケースとして、銀行間決済基盤(日銀ネット、全銀システムなど)、証券取引市場基盤(取引所、清算機関、証券発行流通制度を含む)、クレジットカード決済基盤、国際送金などが想定され、スタートアップのみならずグローバルメジャーな金融機関が自ら、R&Dに取り組む分野となりつつある。

グローバルな「金融の未来図」は、数年単位での革新を繰り返してきた。そこでのディスラプションは金融機関、金融業界の既成秩序をも対象とし、常に、ディスラプターはそのテクノロジーの破壊力を熟知し、自ら実証した企業家である。日本の金融未来図も、もはやそうしたグローバル競争の渦中にある。グローバルな環境では、デジタルテクノロジーは金融機関や金融業界以上に、広く消費者に普及し、様々な変化の誘因となっている。日本市場にも、早晩、そのTUNAMIは伝播する。

 

11月の東京イベント、イノベーションフォーラムにご参加下さい。
ブロックチェーン2.0とロボアドバイザーを専門分野とするアナリストの講演、業界内外のソートリーダーを交えたディスカッションを通して、皆様と共に、「金融の明日」を構想します。皆様のご意見をお寄せ下さい。

 

消費者のデジタル行動

DigitalConsumer_JP DigitalConsumer_US DigitalConsumer_JPvsUS

出典:セレント、日米における金融サービス&イノベーションに関する消費者意識調査(2015年5月)

 

On Innovation

Celent held our most recent Innovation event in Singapore the last week of November, following similar events in New York, Boston, Toronto, Tokyo, London, and, most recently, San Francisco. Most of Celent’s work is focused on specific financial industry verticals, but Innovation is a topic that transcends industry barriers, and so—by design—do many of our Innovation events.

In Singapore we had representation from the entire financial services spectrum—banks, credit cards, insurers, capital markets firms and exchanges. We presented some of Celent’s recent thinking on innovation, much of it from our new innovation survey. But the main event was a peer discussion between the participants themselves.

It was one of the more lively discussions I’ve seen. We set aside two hours for the peer discussion, and it went by in a flash. Participants jostled to get their say in, and the session ended with the feeling that it could have gone several hours more. I think one of the keys was that there were a lot of different types in the room: the abovementioned full spectrum of FIs, from both the business and IT side, and even from compliance.

Everyone was naturally interested in how their “colleagues across the aisles” looked at innovation, how far each had come in achieving it, and what their technology, operational and cultural approaches were—or were not. Participants brimmed with on-the-spot case studies of initiatives at their firms. This was also refreshingly unusual, since firms are often reticent to divulge competitive information and “secret sauces.”

I think the reason for this relatively high level of enthusiasm lies in the industry’s realization that innovation is crucial to long-term success–and considering the rapidly expanding number of disintermediators, and the remarkable success of some of them, maybe even needed for short-term survival.