Will Trout

About Will Trout

William Trout is a senior analyst with Celent’s Wealth Management practice. His research centers on on automated advice delivery (robo advisors), data analytics and segmentation, retirement investments, the use of digital tools and wealth management platform technology.

ロボアドバイザー3.0の時代

Robo for blog 2014年12月に発行した弊社レポート「ロボアドバイザーをめぐるディスラプション」では、ロボアドバイザーのもたらす脅威に対し、伝統的なウェルスマネジメント会社がどう取り組んでいるのかを記載しました。 その後今日に至るまで、ロボアドバイザーの世界は大きな変化を遂げました。 ロボアドバイザーの黎明期(「ロボアドバイザー1.0」の時代)は、Charles SchwabやVanguardといった、多様なビジネスを手がけるアセットマネジメント会社の独自ロボアドバイザーの登場とともに終わりを告げ、「ロボアドバイザー2.0」の時代へと入りました。また最近では、より純粋なアセットマネジメント会社であるBlackRockやInvescoの参入も話題となったところです。 こういったアセットマネジメント会社の戦略的意図や将来性について、セレントは独自の分析を行い、先日発刊した最新レポートでその見解を示しました。本レポートでは、富裕層をターゲットとする証券会社など、伝統的な投資サービス提供企業への影響や示唆についても考察をし、さらには「ロボアドバイザー3.0」にも触れました。潤沢な資金を持つIT企業や、イノベーティブな心をもった既存金融機関による、より高機能で、より多くの投資家層に適用可能な「ロボアドバイザー3.0」の誕生に対し、アセットマネジメント会社の参入がどんな影響を及ぼすのかを分析しています。

「ロボアドバイザーはアイスクリームのように…フレーバーは多種多様!」

Six ice creams in cones on white background 来週、11日に東京で開かれるセレントイノベーション・フォーラム にスピーカーとして参加することになっており、今からわくわくしています。 それに先立ち、注目度が急上昇するこの分野のキーワードを紹介したいと思います。まず、最も基本的なコンセプトから始めましょう。
  • ロボアドバイザー: この言葉は自動投資アドバイス(Automated Investment Advice)の略語のように使われることがありますが、正確には全くの同義ではありません。「ロボアドバイザー」は人的介入が全くないことを前提としているのに対し、「自動投資アドバイザー Automated Investment Advisor」は完全に自動化されたモデルと人間のアドバイザーを補完して自動化テクノロジーを使うモデルの両方を指します。スタートアップ企業の多くは、「自動投資アドバイザー Automated Investment Advisor」を好んで使っています。こちらの方がよりプロらしい(かつより正確な)響きがあるからでしょう。
ロボアドバイザーには基本的に2つのモデルがあります。
  • B2Cモデル: ロボアドバイザーの第一世代は、個人顧客向けで、ほとんどが人的介入のない、完全自動化モデルでした。しかし、個人顧客の獲得コストが嵩んだことから、人間のアドバイザーをロボで補完するハイブリッド型モデルにその多くが移行しました。
  • B2Bモデル: 2007年頃に登場したロボアドバイザー企業のうち、人的介入のない完全自動化モデルを固持しているのはWealthfront(運用資産残高は30億ドル超)だけです。その他のプレーヤーは、B2Bまたはハイブリッド型モデルに転換することで成長を実現しました。例えば、BettermentはFidelity Investmensと提携し、同社の数千人のアドバイザーをロボテクノロジーでサポートしています。
このように、ロボアドバイザーのビジネスモデルの強さと独自性を決めるのは、提供する商品自体(多くの場合はプレイン・バニラのETF)ではなく、どのように提供するか、デリバリー方法におけるイノベーションであるといえます。ロボアドバイサーの特長は、スムーズで直観的なユーザーエクスペリエンス、そして手数料の安さ(および透明性)にあります。どのロボアドバイザー企業もイノベーションを継続し、米国では退職金の資産運用をサポートするまでに成長してきました。現在はB2Bモデルが最も勢いを強めていますが、今後は、より強力な完全自動化モデルを持つプレーヤーがこの市場に参入してくることは間違いないでしょう。